


「今へと続く僕の名前は、
ここから始まった」
Vol.6
編集者・評論家
「シャープペンシル」
山田 五郎 さん
ここちよく生き る。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年 特別インタビュー企画

かがやきに充ちている人の傍らには、きっと最高の相棒が存在します。
素晴らしい相棒と一体になった時、人はどこまでも輝ける。
ラインアート シャルマンも、人に寄り添い、その人をより輝かせる“相棒”でありたい。
さまざまな分野で活躍するプロフェッショナル15人のお話から
“相棒”との一体感がもたらす、かがやきの秘密を紐解きます。
かがやきに充ちている人、そのひとのそばには、きっと最高のバディ達がいます。最適な相棒と一体になった時、ひとはどこまでも輝ける。ラインアートの想いも、そこにあります。人によりそい、輝きを増したい。
様々な分野で活躍するプロフェッショナル15 人にお話を伺いながら、一体感がもたらす奇跡と、かがやきの秘密を紐解いていきます。
ここちよさと生きる。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年
特別インタビュー企画
Vol.6
編集者・評論家
「シャープペンシル」
山田 五郎 さん

- 少年時代の興味がそのまま仕事に
ロボットが憧れだった高度成長期に少年時代を過ごした山田五郎さん。
「家の近くに自動車の整備工場があって、廃棄された歯車とかシャフトが積み上げられているのを貰ってきては母に怒られていました。家にあっためざまし時計を分解して元に戻せなくなったことも。そんな機械好きの一面が、現在の時計の仕事に繋がっていると思います」。
当時の愛読書は少年マガジン。
「巻頭で、大伴昌司さんという天才編集者が“カラー大図解シリーズ“という連載をしていたんです。毎回テーマを決めての図解グラビアで、我々世代の男性編集者の多くが大きな影響を受けたはず。マグリットの作品など美術が紹介されることもあり、日本で初めてエッシャーを紹介したのも少年マガジンだったと思います。表紙デザインに横尾忠則さんが起用された時期もあり、幼いながらも『ブッ飛んでるな』と憧れました。美術に関してはそんな少年マガジンの影響や、また、母方の親戚に日本画家の村松秀太郎さんがいたり、父が版画を集めていて家にいろんな画家の作品が飾られていたりしたことも、後に美術を紹介する仕事につくバックグラウンドになっているかもしれません」。
1970年代に大阪で開催された万国博覧会では建築物に衝撃を受けた。
「ソ連館とかオーストラリア館とか、びっくりするような建築物のオンパレード。太陽の塔を囲っていた大屋根は塔の腕の部分からエスカレーターでつながっていて、屋根の中が展示スペースになっていたのですが、幅が100メートルを越えるのに途中に柱が1本もない。どうやって支えているのだろうと不思議でした。思えば、機械(時計)、美術、建築と、あの頃好きだったものが今、みんな仕事につながっていますね」。
- シャープペンシルに刻まれた名がペンネームの由来に
大学は、上智大学の新聞学科に入学。
「映画が好きで、制作よりも観賞し評論したいと思うようになり、映画論の講義がある大学として選びました。卒業後は講談社に入社。ホットドッグプレスの編集部でファッションの担当になりました。入社からしばらくは雑誌の名前も知られていないような状況でしたが、DCブランドブームとジーンズの流行で爆発的に売り上げが伸びました。徹夜したり会社に泊まったり、今では考えられないような労働環境ではありましたが、とにかく楽しかったですね。それで辞める時期を逸したのか、23年も会社勤めを続けてしまいました」。
雑誌にパワーがあり、 “山田五郎”の名でラジオやテレビなどでも活躍していくようになったその名前のきっかけは、入社から7年目くらいのある日、社内で落とし物のシャープペンシルが発見されたことに始まった。
「ひと目でモンブランのPIXだ!と気づきました。当時すでに生産を終了してしまっていたモデルで、ヴィンテージ化していて高価でした。僕は糸井重里さんが使っていらっしゃることも知っていたのですが、他の誰も興味を持たない。そのうち年末の大掃除の時期になり、引き取り手がいないなら欲しい、と申し出ました。ところが一つ問題があって、このシャープペンシルには“M.YAMADA“と名前の刻印がある。僕は本名が正彦なのでMの方はいいといて、苗字の方は自分が山田を名乗るしかないな、と」。
ペンネームが“山田五郎”となったのには、さらなる後日談が。
「コラムニストのえのきどいちろうさんが初の単行本を出すにあたって、出版社の偉い人がつけたタイトルが気に入らず、何とか円満に断れないだろうか、と相談を受けて。既に同じタイトルがあることにすれば良いのではと、すぐにホットドッグプレスで同名のコラムをスタートさせたんです。ちゃんと著者がいた方がいいだろうということで山田五郎という架空のキャラを作り、僕が原稿を書いて消しゴム版画家のナンシー関が挿絵をつけた。ちょうどその頃、『タモリ倶楽部』の出演依頼があったので山田五郎の名で出たところから後に引けなくなり、講談社を退社後も今日に至るまでその名で仕事を続けることになったわけです」。

山田五郎さんのペンネームのきっかけとなったモンブランのシャープペンシル「PIX #75」。よく見ると「M.YAMADA」のイニシャルが刻まれている。
今回着用したメガネは、リヴォルト コレクションのXL11108 BK。見た目のボリューム感と軽くソフトなかけ心地のバランスが絶妙で、透明感のあるブラックが洗練された印象に。
- 原稿が進む滑らかな書き心地に惹かれて
落とし物のシャープペンシルを自分のものにしたことをきっかけに、モンブラン「PIX #75」を多数コレクションするようになった山田さん。
「全部で30〜40本はあるかな。ずいぶん前に製造中止になり、かつてはなかなか手に入りませんでしたが、最近ではネットオークションにしばしば出品されています。18金から今はなきセルロイドまで軸の素材のバリエーションが豊富なところも、コレクター心をくすぐるんですよ。このシリーズの最大の特長は、芯を支える先端部に斜めの切り込みが3本入っていてクッション性があることです。僕は速く濃く書きたいので柔らかい4Bの芯が好みですが、筆圧が高いのですぐに芯を折ってしまう。その点、PIXは芯径が0.92ミリと1.18ミリと太めな上に先端部にクッション性があるから、4Bの芯でも折れにくい。さらに、太くて柔らかい芯を使ってクッション性を活かすことで、シャープペンシルでも線の太さや濃淡を変えることができ、毛筆のような味わいを出すこともできるんですよ」。
山田さんにとってそんなシャープペンシルよりもさらに付き合いが長いのがメガネだ。
「近視に途中からは乱視も加わり、メガネは中学生くらいからかけ続けています。高校生だった1970年代後半は当時流行していたメタルフレームのものをかけていましたが、80年代に入るとテクノブームとともにセルフレームのメガネが流行り、ウェリントン型をかけるように。以来ずっとセルフレームのメガネですね。90年代半ばに黒縁のメガネをかけてテレビに出るようになってからは色も形も今のスタイルが定着しています」。

- かけていることを忘れるほどの軽やかさ
山田五郎さんが今回セレクトしたのは、ヴィンテージアイウェアを彷彿とさせる佇まいのメガネ。
「ラインアート シャルマンとの出会いは数年前。雑誌の取材で銀座の直営店を訪れたのがきっかけです。その時に入手した強度近視メガネ(XL5)も、今日選んだメガネも、とにかく楽ですね。締め付け感がなく、ずっとかけ続けても顔に跡が残らない。あと、これはアイウェアブランドの人に言わせるとあまり良い使い方ではないそうですが、僕は遠近両用のレンズを入れているにもかかわらず、近いものを見るときはついクセでメガネをおでこに上げてしまうんです。それでもしっかり止まるのは、ツルのバネ性が優れているからでしょうね。よく例え話で“かけていることを忘れてしまうほど”と言われますが、おでこに上げていることを本当に忘れて『メガネメガネ』と探すこともあるくらい、かけ心地が軽いんです」。
ラインアート シャルマンは、20年以上にわたって日本人の頭部形状を研究。そのデータをもとに設計したサイズとテンプルの独特な曲線が、頭部を包み込むようにやさしくフィットする。さらに独自の素材「エクセレンスチタン」によるバネ性と素材を活かす「レーザ微細接合」技術で、かけ心地を追求している。
最後に、2024年秋に原発不明がんであることを公表し、現在は抗がん剤治療をしながら日常生活を送っている山田さんに、これからの日々への思いを伺った。
「死ぬ前にあれをやっておきたいとかは、自分でも不思議なほど思わないですね。何か特別なことをするよりも、今と同じ“どうでもいい日常”がずっと続いてくれるほうが幸せだと日々感じています。がんは日本人の2人に1人はかかると言われるくらいで、特別な病気ではありません。最近は医療が進歩して、僕のように闘病しながら普通に働けている人もたくさんいることを、もっと知ってほしいと思います」

山田さんにとって、シャープペンシルとは

山田さんにとっての愛用のシャープペンシルが気持ちの良い書き心地を叶える“相棒”であるように、ラインアート シャルマンはこれからも、すべての人に寄り添い、その人生を輝かせるパートナーを目指していく。
Photos:Yoshihito Sasaguchi(SIGNO)
Hair&Make-up:Mio(SIGNO)
Styling:Hiroki Tsuchiya
Realization:Tomoko Shimizui

INFORMATION
面白くて教養も身につくと大人気のYouTubeチャンネルから生まれた書籍『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門3』。(宝島社)。『真珠の耳飾りの少女』は誰がモデル?」「キュビズムの始まりはピカソじゃなかった」など、西洋絵画の真実を愉快に解説。

PROFILE
1958年東京都生まれ。上智大学文学部在学中にオーストリア・ザルツブルク大学に1年間遊学し西洋美術史を学ぶ。卒業後、㈱講談社に入社『Hot-Dog PRESS』編集長、総合編纂局担当部長等を経てフリーに。現在は時計、西洋美術、街づくりなど、幅広い分野で講演、執筆活動を続けている。『機械式時計大全』(講談社)『世界一やばい西洋絵画の見方入門』シリーズ(宝島社)、『めちゃめちゃわかるよ!印象派』(ダイヤモンド社)、『闇の西洋絵画史』全10巻(創元社)他、著書多数。テレビ番組『出没!アド街ック天国』(テレビ東京)、ラジオ番組『山田五郎と中川翔子のリミックスZ』(JFN)にレギュラー出演中。
山田 五郎
Goro Yamada
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ラインアート シャルマン 15 周年。